スクールニュース

2021年06月04日

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第98回創立記念式典
第98回創立記念式典

 6月4日(金)  第98回創立記念式典が行われました。
 例年は全校生徒が揃って60周年記念館にて行う創立記念式典ですが、今年度は昨年度と同様、新型コロナウイルス感染防止のため、放送で実施し、生徒は各教室からの参加となりました。学園関係物故者への黙祷の後、学園創設者の原田林市先生、二代目校長の原田雄次先生、三代目校長の原田三代治先生の遺声が放送されました。生徒の皆さんは各教室で姿勢を正し、静かに耳を傾けていました。以下、校長先生の式辞です。
 
 私立学校は作った人の思いがあって初めて誕生します。おかやま山陽高校の9つの学科コースすべてに存在する理由と根拠があります。98年前、創立者の原田林市先生が「女性が高等な教育を受ける学校が必要だ」「私立でなければできない教育を」という強い思いで、生石高等女学校を創立されました。
 二代目の原田雄次先生は学園内に山陽工業学校を立ち上げました。第二次世界大戦下で力強い男児を育てることを目指し、戦後日本の復興に貢献する人材を多く輩出されました。
 三代目の原田三代治先生は学校の方針を現代に通じるよう「持ち味を生かす」と翻訳し、今から30年前、日本の食を支える人材を育てるべく調理科を、誰もが車を持つ時代の到来に際して自動車科を作りました。その後、普通科をコースに分け、スポーツや音楽といった文化的な活動でも生徒が自らを磨くことができる環境を作りました。現在の進学コース、公務員コースもこの時に作られました。工業経営科は何度か形を変えた後、現在の機械科となりました。
 その後、専門学校以上の技術を学べる高校を目指して製菓科を、将来美容や福祉・保育関係の職に就きたい生徒たちが3年間を有意義に過ごせる場として、資格専門コースを作りました。こうして生まれた学科やコースに命を吹き込み、育てているのが、おかやま山陽高校の先生たち、そして卒業後、社会で活躍している皆さんの先輩方です。
 本校はその時代に合わせて姿を変えてきましたが、その根本には林市先生の「私立でなければ、自分でなければできない教育」という精神が今も脈々と流れています。おかやま山陽高校は常に1番新しく、変化し続けながらも根っこは変わらない、そんな学校です。そして2年後にはいよいよ創立100周年を迎えます。
 「飲水思源(井戸の水を飲む際には、井戸を掘った人の苦労を思え)」という言葉があります。学校の存在は当たり前と思うかもしれませんが、かつて強い信念を持って力を注いだ人、それを育てた人がいるということを、皆さんに知ってほしいと思います。
 皆さんこれからの高校生活、そしてその先の人生が充実したものになることを願っています。

第98回創立記念式典
第98回創立記念式典