おかやま山陽高校では、2013年から骨髄バンクドナー登録会を実施しています。発端は、本校教員が大学時代の友人を白血病から救いたい一心で個人的にドナー登録をしたものの、型が合わず提供に至らなかったという悔しさでした。その思いが生徒たちにも伝わり、「自分たちにできることを」と登録会の立ち上げへとつながりました。「骨髄バンクドナー登録会」を周知することで1人でも多くの人を救いたい。生徒たちの代が変わっていく中でも引き継がれる思いが原動力となり、「おかやま山陽高校 献血・骨髄バンクチーム」は活動に取り組んでいます。

骨髄移植や末梢血幹細胞移植は、白血病などの病気で正常な造血ができなくなった血液疾患の患者さんへ健康な方の造血幹細胞を置きかえることで機能を回復させる治療法です。日本では「骨髄バンク事業」が1992年から開始されています。骨髄移植や末梢血幹細胞移植を必要とする患者さんは毎年全国で約2,000人いらっしゃいます。移植には患者さんとドナーの白血球の型が適合することが必要ですが、その確率は数百から数万分の一。
たとえ適合しても、ドナーの都合や健康状態が整わなければ提供できません。そのような理由から実際に移植を受けられる人は半数程度にとどまっており、移植可能なドナーが圧倒的に足りていないのが現実です。

HLA(ヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen)の略)の適合率は兄弟姉妹でも4人に1人(25%)、血縁関係がないと数百人から数万人に1人と言われています。そのため1人でも多くの登録者が必要になります。しかし、毎年20,000人が登録上限の55歳となるため登録外となります。また、現状10代、20代の登録者が少ないため、ドナー数が減っていく傾向にあります。

2025年度登録者数の年代別割合
ドナー登録者数推移【参照】
造血管細胞移植情報サービス https://www.bs.jrc.or.jp/bmdc/generalpublic/index.html
日本骨髄バンク https://www.jmdp.or.jp/about/read/number/
日本赤十字社 https://www.jrc.or.jp/donation/first/
本校では毎年約10%の生徒がドナーに登録しています。ということは、全国の高校で骨髄バンクドナー登録会を行うことができれば、このデータに基づいて計算すると、2026年3月卒業予定の全国の高校生が93万8707人なので、この10%(約94万人×10%)の9万4千人が登録者となります。そうすれば、登録外になる2万人を差し引いても、約7万人のドナー登録者が増えていく計算になります。

本校では3年生を対象に1982年から「卒業献血」を実施しています。多い年には200人を超える希望者が献血に協力し、献血バスを3台も用意していただいたこともありました。これは岡山県内では例を見ない多さでした。「思っていたより痛くなかった」という人が多く、そういった声が後輩への安心材料にもなっています。 また、2021年9月27日に、これまでの献血への貢献が認められ、「献血運動推進協力団体等厚生労働大臣感謝状」をいただきました。これは、長年にわたり、献血活動に協力した団体を称えるために、厚生労働大臣から贈られるものです。この日は大臣の代理として、浅口市の栗山康彦市長が来校され、本校の原田校長へ感謝状を記念品と共に授与していただきました。
高校生ボランティア・アワード全国大会にて、青少年赤十字(JRC)に加盟している高校生と交流し、より多くの人に献血を広めるため、高校生だけではなく未来を担う小・中学生にまで啓発されている活動に共感しました。今後は、JRCの目標である「気づき、考え、実行する」を実践し、日本赤十字社のネットワークを活用して、岡山県だけではなく全国へ、活動の幅を広げたいです。また、多くの世代に献血と骨髄バンクについて啓発し、継続的に登録者を増やしていきたいと考えています。
2025年2月9日にオンラインにて愛媛県立松山北高等学校との実践交流会を実施しました。松山北高等学校には2024年のボランティア・アワード全国大会での交流をきっかけに、本校の骨髄バンクドナー登録推進活動に興味を持っていただいていました。文化祭で行われている献血活動を発展させたいという思いを受け、手段の一つとして骨髄バンクドナー登録会の実施と日本骨髄バンク説明員の資格取得を提案させていただきました。

私たちは、「日本骨髄バンク説明員」の資格を取得し、近隣の献血会場で骨髄バンクドナー登録推進活動を行っています。ドナー登録者から信頼される説明員を目指し、日頃から説明内容のロールプレイや質疑応答の練習をしています。今回は初めて、がん患者さんやその家族を支援する活動に参加し、患者さんの想いや感謝の声を頂きました。私たちは改めて、安易に登録だけを勧めて、「登録者数」を増やすのではなく、「提供希望者」を増やすことが求められていると感じ、人に寄り添うことの大切さを再認識する機会となりました。

本校だけでなく、他校さまにも骨髄バンクドナー登録会や卒業献血などの活動を広めることができれば、より多くの命を救うことにつながるはずです。
本校では骨髄バンクドナー登録の活動に協力してくださるフォローアップ校を募集しています。今までドナー登録を実施したことがない学校さまには、これまでの本校のノウハウをお伝えすることで活動をすぐに取り入れてもらうことができます。また、すでに取り組んでいる学校さまとつながることで、これまでの取り組みや有効だった手段を共有することで、よりドナー登録の活動を広げられると考えています。協力校システムに興味があるという学校様がいらっしゃいましたらぜひ、お気軽にお問い合わせください。
「全国の高校で骨髄バンクドナー登録会の実現を!」の夢を実現できるように全国に情報を発信していきたいと考えています。「年間8万人登録者増加」に向けて皆さんもご協力をよろしくお願いします。


2025.11.15ユネスコ部

2025.08.24ユネスコ部

2025.07.28ユネスコ部

2025.07.24ユネスコ部
