スイーツ甲子園優勝 栄光への軌跡

高校生が菓子やデザートを創作し、そのアイデアを競う第4回貝印スイーツ甲子園で、
製菓衛生師コースの生徒が見事全国優勝を果たしました。
コースが新設され、2年目でこの快挙を成し遂げたのは、同コース2年の樽角知佳、荘司桃、三好智博からなるチーム「ともちー」です!

スイーツ甲子園とは?

全国の高校生たちに、スイーツを通じて自己実現や夢の実現のチャンスを!ということで、平成19年から始まった、「貝印スイーツ甲子園」。
同じ学校に通う3人1組でチームとなり、世界にひとつしかないオリジナルスイーツを創作し、日本一を目指します。

大会テーマは「高校生活」

第4回目となる今大会のテーマは、「高校生活」。
全国のスイーツに情熱を傾ける高校生から、269校、654通もの作品が寄せられ、全国6地域、8ブロックに分かれて、各地区予選の審査員による書類審査が行われました。
本校からは、見事、チーム「ともちー」と、昨年、決勝大会に勝ち進んだ調理科チームが中四国ブロック87チームの中の代表5チームに選ばれ、地方予選大会に進出。

栄光への軌跡 ~優勝までの道のり~

熱戦!!地方予選

中四国ブロック 代表5チーム
☆「チャーチル☆」チーム 愛媛県立浮穴高等学校   ☆「とみーズ」チーム 香川県 坂出第一高等学校
☆「famille」チーム 岡山県 おかやま山陽高等学校  ☆「ガーリーGirls」チーム 愛媛県立松山中央高等学校
☆「ともちー」チーム 岡山県 おかやま山陽高等学校

地方審査員 神戸「モンプリュ」 林周平シェフ(香川出身)が厳しく見つめる中、無事に2時間45分で完成。

決勝進出!!

緊張の結果発表。チーム「ともちー」の名が呼ばれた瞬間、
3人の顔には信じられないといった表情が・・・。

林シェフから決勝大会に向けてのケーキのアドバイス。
「ケーキの保形性をもっとアップさせてみよう。」「間に挟んだチョコレートはもっと薄いほうが いいよ。」など。喜びもつかの間、決勝大会への大きなハードルに、身の引き締まる思いの3人。

~己との戦い~
全国大会までは、約1ヶ月。放課後は毎日練習の日々。ムースの微妙な固さを調節するためにいろいろな固さのものを作って食べ比べをしたり、チョコレートのテンパリングやマジパン細工をより上手にするために何度も試作を重ねるなど、完成度の高いものを3時間の中で作り上げる難しさを体感。 試行錯誤の日々を過ごしながら、3人はケーキに対する強い情熱と自分たちならできるという自信を身につけ、いざ全国大会へ。

大きな夢の舞台・・・決勝大会

全国大会出場チーム
☆北海道東北ブロック 「ほやがーるず」チーム 宮城県 気仙沼西高等学校
☆関東Aブロック 「Bald Boys」チーム 東京都 自由学園男子部高等科
☆関東Bブロック 「夢見るたまご」チーム 東京都 町田調理師専門学校高等課程
☆中部ブロック 「3semence」チーム 三重県立相可高等学校
☆近畿北陸Aブロック 「Black☆Impact」チーム 京都府 福知山淑徳高等学校
☆近畿北陸Bブロック 「京こまち」チーム 京都府立桂高等学校
☆中国四国ブロック 「ともちー」チーム 岡山県 おかやま山陽高等学校
☆九州沖縄ブロック 「トライアングラー」チーム 大分県 昭和学園高等学校

さあ、いよいよ夢に見た決勝の舞台。9月18日、お台場フジテレビ湾岸スタジオ。
全国から地方予選を勝ち進んだ8チームが集結。緊張した中にも、自信がみなぎっており、
チームワークよく独自のスイーツを作り上げていく姿に会場内は大いに盛り上がりました。


~みんながついているよ~
チーム「ともちー」、3人のそれぞれの帽子には、クラスメイトから贈られた手作りビーズ。
応援席では、製菓衛生師コース1・2年生からのメッセージが入った横断幕とのぼり一緒に応援。

ぎりぎりの2時間57分・・・

8チーム中、5番目に完成。制限時間3時間の中、地方予選とは違った緊張感があったのか、ぎりぎりの2時間57分で無事にケーキを作り上げました。3人揃って「できたー」の声に会場からは大きな拍手が送られました。

日本を代表する3人のパティシエによる試食審査

お皿に乗せられたケーキが決勝大会審査員のシェフの前に置かれて、試食審査スタート。
みんなが見守る中、大会のテーマである「高校生活」をケーキでどう表現したかを、手作りパネルを用いて説明。緊張しながらも堂々とした姿に、シェフも真剣に耳を傾けていました。
審査委員長の西原シェフが、ケーキを食べて、「やわらかいね~」とにっこり。3人のシェフの表情に期待の色が伺えました。

運命の結果発表

決勝大会では、審査員特別賞2チームと優勝チームが1チーム選ばれます。
まずは、審査員特別賞の2チームが発表されました。名前が呼ばれないことの嬉しさと不安、両方の気持ちを一度に体感しました。
次は、優勝チームの発表かと思いきや、今回は大接戦だったということで、もう1チーム審査員特別賞が与えられることになり、再び緊張の瞬間がやってきました。
しかし、次もチーム「ともちー」の名前は呼ばれず・・・。
こうなると、優勝、または、入賞を逃すかの二つに一つ。
そして・・・「優勝は、おかやま山陽高校、チームともちー」。
会場内には歓喜の声と優勝を讃える大きな拍手が響きわたりました。

「優勝」そして、感動の表彰式

審査員シェフから、三つ星パティシエ認定証とパリ行きチケットをいただいた3人。

優勝インタビューでは、「今までお世話になった方にお礼がいいたい。」と樽角。「優勝できて嬉しい。」と三好。「どこのチームが優勝するのかと思っていました。」と荘司。3人らしいコメントが聞かれ、優勝をまだ信じられない姿の中にも、夢に見た大きな舞台の頂点に立ち、堂々としている様に、これまで頑張ってきた道のりを感慨深く振り返りました。

最後に

書類審査、地方予選、決勝大会までに作ったケーキの数は、数えきれないほど。
この優勝は、毎日ひたむきに練習に取り組んだ3人の頑張りと、3人を支える家族や友達、先生、周囲の方々のお蔭と、深く感謝しています。
今大会は東日本大震災で、被災されている方がたくさんおられる中、大会を開催すべきか、主催者の貝印株式会社の方もずいぶん悩まれたそうです。
決勝大会には、被災地から参加されたチームもありました。食材調達が難しく、思うように練習ができない中での出場でしたが、楽しんでケーキを作っている姿に、会場の皆が胸を打ちました。
この大会を通して、普段はあまり意識することのない「大好きなお菓子作りができることの幸せ」を、たくさんの方々が感じられたのではないかと思います。
今回の優勝が、後に続く生徒のよき目標になることを願いながら、製菓衛生師コースは前へ前へと積極的にチャレンジしていきたいと思っています。これからも製菓衛生師コースをよろしくお願いします。

スイーツ甲子園優勝ケーキの紹介

優勝ケーキの紹介

おかやま山陽高校の作品名は「パリじゃネ」。名前の由来は中にはさんだ板チョコがパリッとする食感と、優勝賞品のパリ旅行をかけています。「パリじゃネ」のじゃネは岡山弁の「じゃね~」をかけています。生徒の遊び心と郷土愛が込められたネーミングです。
ケーキの層では高校生が大好きな紅茶を使い、アプリコットジャムとパッションフルーツを加えて高校生活の甘酸っぱさを表現しました。また、杏のムースの中にあるパイナップルは生徒自身で杏の暖かい色で学校生活の暖かい雰囲気をイメージし、その中に包まれている様子を表現しました。
ケーキの飾りに使用しているチョコレートのメッセージは、授業で被災した岩手県の高校にマドレーヌと共にメッセージを送った所、お礼の言葉をいただいたという思い出を表現しています。
紅茶のムースとフルーツがうまく調和した高校生らしい作品です。

御協力頂いたシェフ

伊藤義浩シェフ
"パティスリー シェルブルー"オーナーシェフ
おかやま山陽高校 非常勤講師
豊富な知識と経験を活かし一人ひとりの生徒の目線に合わせながら、楽しい授業を行います。

パティスリー シェルブルー 〒719-1132 岡山県総社市三輪674-1  TEL:0866-94-8870 FAX:0866-94-8875
Mail:  Web:http://www.cielbleu2007.jp/

林周平シェフ
"パティスリー モンプリュ"オーナーシェフ
国内のホテル勤務後、渡仏。パリで腕を磨き帰国後、神戸にパティスリー モンプリュをオープン。
神戸の地でフランス菓子文化をもっと深めたいと考えている。

パティスリー モンプリュ 〒650-0024 兵庫県神戸市中央区海岸通3丁目1番17号  TEL(FAX):078-321-1048
Web:http://www.montplus.com/