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2013年07月01日

監督のぼやき・・・4 「ありがとうございました。」

先日、専大北上高校でコーチなどをされていた高橋利男さんが亡くなられました。私が大学一年生の時のコーチです。私は、もっぱら作業ばかりでしたので、声をかけられることは数回でしたが、非常に怖いなぁと思っていました。大人になってから大学のセレクションに教え子を連れて行く機会があり、何度かお話をさせていただけましたが、学生の頃のイメージとは違って、非常にユーモアのある優しい方でした。 
数年前に、特待生問題が出た時には、一人矢面に立たされて大変ご苦労されたと思います。その時、本校は正直に特待生がいると発表しました。県内では、たったの2校でした。部のスローガンでもある“STRONG STYLE”の通り、生徒達は何も悪くありませんので、生徒達の前で、大人が誤魔化したり、嘘をつくようなことがあってはならないと思いましたので、手を挙げました。ところが、報道でもありましたが、裏金をもらっていた指導者は日本中で175人とか・・・。野球連盟には、プロ側から提出された名簿もあったそうです。連盟に知っている方もいたので、電話で発表するようにお願いしましたが、私のような人間が関与することではない、そんなことしたら野球界がひっくり返るから、この名簿は墓場まで持っていくとのことでした。何の罪もない、高校生は罰を受け、私の憶測で申し訳ありませんが、高橋さんは、他の方々を守るために犠牲になり、他の方々は組織ぐるみで有耶無耶にして、今もグランドで子供達に“野球道だとか、野球人として云々、礼儀、文武両道、親に感謝しろ”などと講釈しているのではないかと思っています。
子供達は、大人を見て育ちます。未来の野球界のために、日本の社会のために、野球人として男らしく生きる姿を子供に見せたいと思います。またそういう選手には、そういう大人になってもらいたいと指導し続けます。 
この場をお借りして、故人のご冥福を心より祈ります。

この高橋さんの葬儀に際して、中国地域のOBに連絡を入れる任務を頂きました。夜の11時過ぎに、その電話連絡などが終わり、ホッと一息ついてテレビをつけると大先輩である金本選手が引退発表されていました。怪我で苦しんでいる最中に、コーチだった高橋さんの訃報も引退を決断された一つの要因になったのではないかと勝手に想像すると、涙が止まりませんでした。なんだか凄く寂しい一日でしたが、同時に明日から気合を入れて生きなければいけないと心が震えました。