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2014年12月04日

師匠!

アテネ五輪予選 in 札幌ドーム

アテネ五輪予選 in 札幌ドーム

アジア野球連盟コーチ陣 荘さん(台湾)・前田さん・オジンスキーさん(米国)・許さん(韓国)・私

アジア野球連盟コーチ陣 荘さん(台湾)・前田さん・オジンスキーさん(米国)・許さん(韓国)・私

何だか突然ですが、師匠を紹介します。前田祐吉さんです。出会ったのは、2001年。ある方の紹介で「お前、ある人を紹介したいんけど」と言われ、人に会うのが、営業マンの基本と思ってましたんで、「イイっすよ、どこに行けばいいですか?」と聞くと「タイや」 ん⁇ タイって、外国の⁇⁇ 何だか、訳のわからない話。そういう話のノリが好きなんで、二つ返事で了解。社長には、適当な事を言って、タイに行きました。そこで会ったのが、当時アジア野球連盟の事務局長、元慶應義塾大学の監督、前田祐吉さんでした。そんなアマチュア野球界の重鎮とお会する事になるとは…。兄が慶應大学でしたので、名前は存じ上げてましたが、まさかタイでお会いするとは夢にも思わなかったことでした。 その夜は、取りとめもない話をしただけでした。翌日、アジア野球連盟のベースボールクリニックが開催され、台湾・韓国・アメリカから指導者が来て、野球途上国の10数カ国の選手や指導者に指導されてました。選手の数が多く、指導者が足りなかったからか、スタンドで見学していた私に前田さんが「手伝ってくれるか?」と声をかけて下さり、急遽 野球未経験者組を見る事になりました。アフリカでの経験がありますので、あっという間に大爆笑の鉄板ネタを盛り込んで指導開始。初心者組は、メイン球場から離れたサブ球場で、他の指導者もいないので自由にやらせてもらいました。ここでは書けませんが、守備の基本を教える上で大爆笑になる、ちょっと下ネタ混じりの練習方法があるのですが…。やはり、初対面の外国人同士が心開く手段は、笑顔・挨拶・そして下ネタです。その練習方法を全開でやっていた時に、ふと気配を感じて、振り向くと…アジア野球連盟事務局長の前田さんが! 瞬間、フザけた練習しやがって、日本の恥!と怒られると思って、直立不動になりました。すると、満面の笑顔で「イイね〜、それ。初心者に分かりやすいよ。素晴らしい!」と褒められてしまいました。そして、夕方、1日のプログラムが終わったあと、「これから、一緒にやろう。力貸してよ。日本の指導者は、こういう所に来ても、真面目に指導し過ぎてダメなんだ…。」 その後も、やたらと褒められてしまいました。自慢したい訳ではなく、日本で選手としては中途半端。指導者としては、日本での経験もない、実績もなかった若僧だった私は、生まれて初めて日本野球界の偉い人に認めて頂けた事が嬉しくて、嬉しくて、真赤なタイの夕焼けを見ながら涙が止まりませんでした。アフリカ帰りの変わり者を、心から接して下さり、1週間ずっと野球の起源や歴史から海外の野球の話まで、また師匠の野球に関係ない発明品の話まで、濃密な時間を過ごさせていただきました。私からすると偉い人ですが、ご本人は全く偉そうにもせず、どこの国の選手・指導者にも熱心に、優しく、ユーモラスに接していて、とにかく素敵な方でした。それから、勝手に弟子になり、師匠と思ってます。今回、何が言いたいかというと、人は誰かに認めてもらえれば嬉しいということです。また、まさに一期一会。人との出会いが、人生を変え、豊かにします。だから、常に出会いを大切に!