学科・コース

2016年07月04日

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【自動車科】3年生実習「エンジン故障探究作業」

外部診断機 日立モバイル製HDM-3000を使っての授業です。

外部診断機 日立モバイル製HDM-3000を使っての授業です。

「エンジンの不具合箇所を見つけ出し、正常な状態に修理する」
これがこの実習のメインテーマです。



エンジンに取り付けられたセンサー類をわざと外し、故障を作ります。
外部診断機(スキャンツール)という機械をつなぐことにより、故障個所を見つけることができます。

このセンサを外すと、エンジンはこんな状態になるかという不具合の現象確認と、
どのセンサがどの様な状態になっているのかを外部診断機で自己診断させ、故障を直していきます。


一人が終わったら、新たな故障を作り、次の人が故障診断をする。という具合に実習します。



一番苦戦していたのが、外部診断機の使えない古い型のエンジンでした。
サーキット・テスターを駆使して、リレーの点検をしたり、サウンドスコープを使って、インジェクターの作動音を聞いたり、スパーク・プラグを取り外し、火花点検をして行くのですが、悪戦苦闘の様子でした。

外部診断機のありがたみが良く分かってもらえたみたいです。


また、この診断機は故障個所が解るだけでなく、モニタリングやアクティブテストができます。


応用編として、ここからは現車を使っての作業です。



タイミングよく純正ECU(コンピュータ)とnismo製のECU交換作業が入りました。

そこで、応用編として、外部診断機を使って、それぞれのECU(コンピュータ)では点火時期や燃料噴射量などがどのように変化するかモニタリングしました。



モニタリングできる全ての項目をノートに書き写していきます。

コンピュータ(ECU)でエンジン特性が大きく変わることが、一目瞭然で分かりました。


この車両はECU交換後、スロットル全閉位置と急速TAS学習という作業をしなければなりません。

定められた時間でアクセルペダルを何回踏む…という作業があって、はじめてECUの交換が完了します。



そのタイミングが難しい。ちょっとでもずれると一からやり直しです。
ストップウォッチ片手にみんなでタイミングを取りながら、練習を重ね、見事クリヤしました。



また、「アクティブ・テスト」という機能を使って、1シリンダずつ燃料噴射を止め、「パワーバランス点検」を行いました。

以下は、生徒たちの感想です。

外部診断機はすごく便利なものだと思いました。
故障個所を部品名や原因まですぐにわかるし、点火時期や燃料噴射量を変えることも出来てしまう。まさにハイテクなものだと思いました。
しかし、故障探究だけでなくその故障の原因は何だったのか、またその故障が起こらないためにはどのようにしたら良いかを考えるのが整備士の役割なんだなと感じました。(Y.H)
 
外部診断機を使う事によってエンジンの故障した箇所をすぐに表示してくれるところや水温、点火時期、エンジン回転速度など細かく出てくるところがすごいと思いました。
インジェクタの作動音点検では、音を聞き分けるところが難しかったです。
マーチのECU交換では、nismoチューンECUと純正ECUで点火時期や最高回転速度などすごく違いが分かりやすかったです。
各センサの役目や電気のことについて勉強不足だと実感しました。これからきちんと理解して復習して行こうと思いました。(H.T)
 
外部診断機を用いない故障診断をしたとき、これがあるのとないのでは作業の手順も効率も一気に変わると思った。
この作業を通して外部診断機はとても便利なものだけど、最終的に整備するのは人間なので、正しい自動車の知識を身に付けないといけないことに変わりはなく、それに加えて上手く活用できるようになりたいと思う。(E.T)
 
この実習では、外部診断機を使用して一人ひとりが故障個所を設定して、それを直すことをしました。
ここに何のセンサがあって、これを外すとどうなるのかといったエンジンの状況を判断し故障探究していくという内容で、エンジンの事が良く分かるようになりました。(R.H)
 
マーチのECU交換作業では、ECU交換後の「スロットル全閉位置と急速TAS学習」を覚えさせる作業をしました。アクセルを何秒後に何回踏む…というやり方があってとても大変でした。
最後の作業が終わり「ホッ」としてエンジンを止めてしまうというハプニングがありましたが、再度エンジンを掛けてエンジン・チェック・ランプが点かなかったので完了していることが確認できてよかったです。(H.N)



次回は「国家試験対策授業」の様子をお伝えします。